その5 (8月17日) かつての鉄道を追って
昨日、内陸に入ってきてからは晴れたり大雨が降ったりとよくわからない天気。この日もそんな感じでした。
さ、今日は最終日。のんびりと回りながら苫小牧に向かいましょう。
名寄からはそのまま南下して旭川に向かっても良かったのですが、道の駅と深名線が見たくて、ちょっとだけそれた朱鞠内に向かうことにしました。
と、名寄市内を走っていて見かけたのが・・・・
名寄公園、北国博物館の近くあったのはなんと「キマロキ編成」!遠くからでも目にとまる、芝生の丘の上にどっしりと並んでいました。 |
近くで見てもすごい迫力。車両は一つ一つに入ることができ、中まで十分見ることができました。 | |
「キマロキ」とは、大雪の時に出動する雪かき用の特別編成で、機関車(キ)+マックレー車(マ)+ロータリー車(ロ)+機関車の編成。当時は蒸気で大型のロータリーを回し、雪をはねとばしていたため、ロータリー車にも石炭を積む炭水車が付いていたのですね。 この先には一直線に散歩道が延びていました。これは、かつての名寄本線のレールがあったところ。 |
この先の予定はわからなかったのですが、あまりさっさと通り過ぎることもできずに車両の周りなど、あちこち眺めていました。
そんなこんなで、いよいよ出発です。
朱鞠内まではよくわからない道を通っていたのですが、湖が見えてきたあたりから深名線独特の雰囲気が出てきました。ちょうど今時はそばの花が満開で、沿道のあちこちで真っ白くなっているそば畑を見ることができます。
旧朱鞠内駅周辺は駅も解体され、小さな公園とバスターミナルになっていました(一番上の写真の左側)。ここから先は幌加内まで、以前に通ったことのある道。添牛内の駅や政和の食堂などはちらっと見る程度で、途中の道の駅に寄ってから幌加内まで向かいました。
旧幌加内駅舎は火事で焼けてしまった話は有名。ですが、今回訪れたときはそこよりちょっと離れたところに石碑と駅名標(一番上の写真の右側)。このあたりは、荒廃されることもなく少しずつでも開発、土地の変化は進んでいるようです。 ここから先は初めて通る道。かつての深名線沿いに深川まで向かったのですが、途中はずっと平らな道ではなく、何回か峠を越えなければならないのですね。道路は整備はされていたのですが、それ以前の鉄道で移動していたころも、ずいぶんと苦労があったのでしょう。
旧鷹泊駅。周辺には集落も残っていました。 駅舎自体は窓はふさがれ、中にも入れない様子。 |
同じ駅のプラットホーム側。 レール面の、ホームのすぐ近くまでそばの花が植えられていました。 |
このあたりは盆地かと思ったら、またしばらくしてすぐ峠。トンネルなど見あたらないところを見ると、列車も同じように坂を上っていたのですね。 沿線をずっと走っていて、レール跡は所々で見かけはするものの、まともに駅の跡を見ることができたのはここだけ。小さい乗降場のようなところだった駅はもう消えてしまったのでしょうか。昔の地図を片手にふらふらと見回っても、ひろい畑か狭い山間の道ばかりでした。
深川に着いてからは道の駅で食事。この時点でやはり時間が余り気味だったので、北竜町と雨竜町を回り、ここでも道の駅へ。なんだか各地の道の駅はどれも個性的でいいですね。北竜町ではたくさんのひまわり畑をかすめ、雨竜町では地元有名人の畑が?
このあたりと、国道12号線沿いはなにやらパトカーがやたらと走っていました。滝川〜光珠内間は日本一長い直線道路。スピードを出し過ぎる車がおおいのでしょう。このあたりはスピードも出すことができず、普通にゆっくりと走るしかありませんでした。
← それでも時間があまったので、歌志内やら上砂川の方まで足を伸ばしてみました。 上砂川には駅舎と荷物・郵便車に車掌車。ただホームの向きが不自然だったので移築されたのでしょう。 このあたりは「悲別」という名で映画が撮影されたところで、駅舎の中にポスターが貼られていました。 |
時間を見ながらあちこち回った「道の駅スタンプラリー」もこれで終わり。三笠で集計、応募したところ32駅回ったことになりました。 それにしても・・・このスタンプラリー、人気になったせいかみなさん家族連れで4,5冊くらい抱えて一生懸命押していました。そのためどこに行ってもスタンプ場は人混みだらけ。なんだか「賞品目当て」の人たちに押されると苦労してスタンプを集めたのがちょっとだけ悲しくなってしまいます。まぁ駅を回れたのはそれだけでも良かったんでしょうが、楽しみがちょっと減っちゃうかな。
いずれにしても、日が傾きかけてきたので、ここで北海道の旅を終わりにし、フェリーの待つ苫小牧へと向かいました。
フェリーターミナルはいつもと同じところと思っていたのですが、船の会社が違うため20km以上も離れたところに行く羽目に(^^;。最後の最後で時間が狂ってしまったのですが、何とか間に合いました。 ひさびさに20時間近くも船に乗っていたのですが、中では寝たり起きたり。ここではずいぶんと旅行の余韻に浸れたのですが、新潟港に着いてからは帰宅まであっという間。近くなったのは便利なのですが、ずいぶんとあっけなくなってしまいましたね。 |
今回は初めてのところも、久しぶりのところも多くあって、天気のいいところも悪かったところもいろいろありました。なんだか行く先々の景色が目にとどまっていてとっても充実感がありました。
また行きたいと思わせるところばかり。いい旅でした。
名寄−朱鞠内−深川−(北竜町)−上砂川−(三笠)−苫小牧 374km
トータル 1608km、道外を含めると2163km。
これでも、通常の旅行の距離よりは少なかった方でした。