その6 (8月16日)

 長そうで短かった旅行も、今日が最終日。
 本当は朝から苫小牧に移動したかったのですが、どうしても知床半島が気になったためちょっと早起きして行ってみることにしました。


 昨日と同じように、道中は左手にオホーツク海、右手には小清水原生花園の景色を通ります。道路は直線で、窓を開けて走ると非常に気持ちがいい。途中止まるならJR原生花園近くの駐車場がいいでしょうか。
 左の写真はその近くで撮影したもの。遠くに見える山は斜里岳です。


 斜里町を抜けると半島の一本道を走っていくのですが、この辺りから車が多くなり、ややつまり気味。この後苫小牧に向かうことを考えると、知床五湖まではとても時間がかかるので、諦めて途中で帰ることにしました。


 半島の中腹にあるオシンコシンの滝です。
 豪快さはないのですが、落差が大きく見た目にも涼をとるには十分ですね。

 時間がないにしてもここまでは来て見たかったので何とかがんばったのですが、ここでも車や人が多く、上の方まで上がっていって、撮影とひととおり見たあとで、車が増えるのを恐れて急いで帰ることにしました。


 さ、急いで帰らなければ。
 層雲峡をさけて、十勝地方を通って帰るルートで行くことにしました。


 海岸を離れ山間にはいると、ちょっといままでとは違う何もない景色になっていきます。鉄道も幹線道路もないところは建物などもなく、本当に寂しいところですね。
 左の写真は津別町辺り。美幌から南西に走っていくと通る場所です。



 しばらく見たこともない道路を走っていると、陸別町にでました。ここは冬の平均気温が非常に低い「しばれる町」として有名。
 そしてここには北海道ちほく高原鉄道という路線が走っています。陸別駅は道の駅でもあり、ホテルも併設。ここで短い休憩をとり、しばらくはこの鉄道沿線を走ることにしました。


 北海道に来てつくづく思うこと。
 地方都市、町というより集落っぽいところは、その中に入ってしまえばそれなりに賑やかなのだけれど、そうではない「何もないところ」というのは本当に何もなくて、ひとりぼっちで夜にいると怖くなってしまうくらい。本州では何もないと言ってもこれくらい危機感を感じるほどではなくて、逆に北海道の町は陸の孤島っぽい寂しさがありました。

 ちほく高原鉄道線(ふるさと銀河線)は、そんな小さな町と何もないところを順々に通って行くところ。 数あるローカル線の中でも本当に過疎な地域を通っているような所でした。


 この路線は廃止した国鉄地北線を引き取った第3セクター路線。沿線にはこの写真のような、昔ながらの駅舎をそのまま使っているところもありました。
   

 当然のことながら鉄道の経営状態は厳しく、駅には鉄道に協力してくれた方々の名前が、星形のプレートに1人ずつ書かれて貼られていました。


 このまま南下して池田付近まで来たところで、道東自動車道へ。 この道路、高速道路のような形ですが2車線あるところの方が短くて、車の量は少ないものの1台でも前に遅い車があると詰まったような形でしか走れなくなってしまう中途半端な道路。


 十勝清水で降りたあとは日勝峠越え。
 こちらも急坂や曲線はあるもののそれほどきつくなく、そのかわりに長い間続きます。途中の展望台からは十勝地方の田園風景が見られたのですが、峠を越えると山、森深い景色ばかりで、しばらく退屈なままひたすら走っていました。



 途中道の駅で休んでから(ここでスタンプラリーに応募。今年は14カ所でした)、西の日高地方に抜けます。海岸線ではないので馬の牧場はあまり見られなかったのですが、途中の振内町では、左写真のような廃線跡を使った鉄道展示館がありました。
 昔の蒸気機関車と客車が置いてあるのは他と同じなのですが、客車は簡易宿泊施設でシャワーまで付いている本格的なもの。


 時間ぎりぎりですが、ようやく苫小牧に到着。
 ここでフェリーに乗ります。いよいよ北海道とお別れです。

 
 フェリーの中は混雑していたのですが何とか場所をとり、食事を済ませたあとは長い間寝てしまいました。

 八戸に着いたのは夜明けの3時。天気はやや霧雨でした。
 本州と北海道の景色は明らかに違い、こちらでは広くて何もない景色というのはほとんどありません。寝たり走ったりを繰り返しながら宇都宮に近づく度に、だんだんと現実に戻った来たのかなぁ、と言うような気分になったのですが、今年もいままでにないところを見ることができた、いい旅でした。


      網走−ウトロ−陸別−日勝峠−日高町−苫小牧  499.9km
      6日間合計 2211.7km、 ガソリンを214.2リットル使用。
      ちょっとだけ、いつもの年より燃費が良かったようです(^^;

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