その2 (8月13日)

 なんと、5時半に起きてしまった。
 昨日、あんなに「疲れた、疲れた」と言っていたのに。

 駐車場の関係で8時に出発。 そして今日の目標は2つ。
1つは「標津線の廃線跡巡り」、2つ目は「知床半島を回る」。

 なんですが、もう1つ目指すものがあります。なにしろそれのために朝ご飯をまだ食べていないのですから・・・(^^; というわけでまず目指すのは厚岸駅です。 そう。お目当ては駅弁の「かきめし」。去年初めて食べてからすっかりはまりました。別なところでカキ料理もいただき、それ以来「厚岸のカキは日本一」と信じて疑わないσ(^^;にとって、これは逃せません。

 今回は朝が早いこともあって、売り切れる前に手に入れることができました。いや〜、1年ぶり。。ひさびさに「あの味」に会えて、とってもうれしいです。幸先いいぞきょうは・・・・


厚岸駅です。夏はこの駅弁目当てに多くの旅行客が訪れるところ。
  

これが「かきめし」。\900です。いまのシーズンならよ〜く煮込んだカキが3個。あとあさりなどが入ります。
 釧路までがそうだったように、釧路から先(東側)の方も、ちょっと都市を離れると何もない景色。厚岸のあたりは畑も何も作ることができず、手つかずの湿地帯が続きます。広々とした景色は、それはそれでいいのですが、常に「寂しさ」が漂うところでもありますね。


 さて、昔の「標津線」と言えば、この厚岸から先のいわゆる「根釧台地」を走っていた路線。このあたりは背の高い木の少ない牧草地帯で、起伏はあるもののまっすぐな道が続きます。その景色は北海道の中でもこのあたりにしか見られないもので、私は去年訪れたときからすっかり気に入ってしまったところ。そして、廃線跡探しもいくつか行ってはいるので、それの経験と古い地図を頼りに回ってみることにしたんです。

 この根釧台地を走るだけでもわくわくしているのに、廃線跡には保存されている建物などがあちこちで残されており、行く先々で駅をのぞいたり、周辺を歩き回ってみたり・・・  とにかく走り回っていて飽きない、時間が惜しい。期待通りでとても楽しい時間を過ごしました。

 (廃線跡巡りに関してはこちら

奥行臼に残る「駅逓舎」。この近くには、駅舎とホームも残されていました。


 このあたりで町らしい町と言えば、別海町や西春別、計根別など。中標津には空港もあり、一段と都会に見えました。標津線あとを探しに根釧台地を縦横無尽に走り回り、その途中の景色にも感動している間に、時間はどんどんと過ぎていってしまいます。


 泉川あたり。この辺になると民家は1,2件くらいしかなく、あとは全て牧草地。畑でないところが美瑛や富良野などと違うところでしょうか。
 

 上春別あたり。このあたりでは牛も柵などに囲まれることなく自由に歩き回って草を食べられます。道には「牛の飛び出し注意」の標識が多かった。

 川北駅跡あたり。 駅舎はなかったのですが、写真の保存車両と駅名標がありました。
 廃線跡を探すのは、多少苦労するところもあります。そこそこ大きな町では宅地開発などが進んでおり、跡地がまるっきり変わった形になってることが多いからです。そうなるとその地点を探すだけでも大変。同じ所を何度もうろうろすることも少なくありません。 でも「時間がない、ない。。」と思っていても、ふっと左のような所があると、そちらの方に行ってしまうんですよね。(^^;

 さて標津線の終点は根室標津駅。東の果ての根室半島と知床半島の間にある「根室湾」に面した港地帯です。昼食もとらずに廃線跡探しをした結果、ここにたどり着いたのは午後2時半過ぎでした。

 標津には大きな川(標津川)があり、鮭が帰ってくる川として有名なところ。町内にはサーモンパークやサーモン科学館などがあったのですが、廃線跡探しのために寄る時間が無くなってしまいました。
 道路沿いには鮭とカモメをあしらった街灯が見え、なかなかいい町並みでした。

 オホーツク海ではないのですが、東側に海岸がある町っていうのはここまでこないと見ることができないので、とっても不思議な気分になりますね。


 さぁ、それでは先に進みましょう。羅臼側から知床半島を回って行かなきゃ。ここからは思ったより近くにあり、半島の入り口なら30kmくらい。奥の方まで50kmも走れば峠の麓まで来ます。標津にいたときからも山はよく見えており、あのあたりまで行けばいいのだな、というのは見当が付いていました。 でも実際は曲がりくねった道が続き、スピードが出せません。

 昨日と同じように、右手に海を見ながらの走りになるのですが、太平洋とは全然雰囲気が違います。反対側の山は海岸のすぐ近くまで来ており、海にはすぐ近くまで大きな島が見えているんです。 去年は根室でちょろっとしか見れなかったのですが、ここではすぐ近くまで迫ってきているんですね。国後島・・・


 [道の駅 知床・らうす]で土産物を買い、旅行2日目にしてすでにみやげの買い込みは終了(^^;。 それからはいよいよ「峠越え」になります。 ここでは他の山岳道路のようにかなりの急坂と急カーブが連続しておりσ(^^;も車もかなりこたえました。。。 標高783mを一気に駆け上がっていくのですが、振り返る度に海がどんどんと下に沈み、反対側からは大きな山(羅臼岳)が見えてきます。 道路の頂上にある知床峠では、この山と海がきれいに見えるポイント。ここまで着くと、いままでの疲れも一気にふっとんで、「きれいだなぁ」と遠くを眺めるようになりますね。


 羅臼岳です。実際は写真よりもずっと高くそびえていて、堂々とした「山らしい山」って感じでした。
  

 海側を見ると、ついさっきまで近くにあったはずの海岸線が、かなり下の遠くに行ってしまいました。 水平線の向こうに見えるのが国後島。
 峠を下ると、今度はオホーツク海が見えてきます。日が傾き始めてからは、その海岸の美しさに車を止めて眺める人が増えてきていました。斜里、網走までもうすぐのような気がしてまだまだ道は長いです。ウトロでは渋滞にも遭い、急がなければいけなかったのですが、途中の(左写真の)オシンコシンの滝に着いたときには、やっぱり車を止めて見に行ってしまいましたね。
 斜里町まで出てくると、あとはJR釧網本線とオホーツクの海岸沿いに網走まで走って行きます。オホーツク海は何度も見たのですが、反対側の小清水原生花園はあまり今までは気にしていませんでした。午後4時を周り、日が沈み初めて海からの霧のようなものもあってか、原生花園は幻想的な感じでした。
 花はもう無かったんですけどね。
 今日の旅の最後は、JR北浜駅です。 このあたりの駅舎は喫茶店になっていて、コーヒーを飲みながらオホーツク海を見ることができます。 今日は網走で泊まるのですが、最初の方で時間が押しぎみ。ここではただ駅の周りを見て、雰囲気を楽しむだけにとどめ、「きょうは景色のいいところばかり見られて本当に良かった。」と旅の余韻を残しつつ、宿に向かうことにしました。


    釧路−厚岸−西春別−中標津−根室標津−知床峠−網走  433.7km


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