その2の2 (8月 9日午後)

 北海道の南端に近い福島町を走っているうちに「青函トンネル記念館」なるものがあるらしいことがわかった。今まで時間がない、ない、と言ってきたのに、また寄り道してしまいそうだ。

 もうこの辺りになると、昨日行った青森の大間崎よりも南に来ている。結局「青函トンネル記念館」には入ってしまった。ここでは青函トンネルの歴史や工事中の様子を再現したものなど、トンネルについてのいろいろなものを見ることができる。意外なものを意外なところで見ることができたが、ちょうどこの下辺りを青函トンネルが走っているらしく、鉄道ファンにはたまらないところでありながら行きづらい所にある。

 そこからすぐの所に[道の駅 横綱の里ふくしま]がある。ここは歴代の横綱である千代の山、千代の富士の出身地である。売店には相撲甚句が流れており、駐車場に幟も立っている。ただこっちの方はどうも売店が小さいようだ。ただこの隣には「横綱千代の山、千代の富士記念館」という立派な建物があり、ここも見てみることにした。ここではこの2人の力士を中心に相撲に関するものをいろいろ展示しており、九重部屋の土俵や昔の映像などが目を引いた。


記念館の入り口


松前付近に残る鉄道橋のあと
 白神岬を過ぎる辺りから日本海沿いを走るようになる。また大きな集落が見えてきたかなぁと見てみると、途中に大きな鉄橋の跡や城などが見えてくると松前である。 となると、やはり城を見たくなる。この辺りは城を中心にした公園で歴史的な建物が散らばっている。しかし時間のことを気にすると、やはり松前城しか見ることができない。 あ、地下道は涼しい・・・・・・

 松前を出てからは、進路が北になる。さすがにこの辺りまで来ると周囲が何もなくなってくる。青々とした木と小高い丘が続くが、この景色は今まで見た北海道の景色のどこにも見られなかった新鮮なものだ。北上しているときに左に見えるに日本海はあまり見慣れないのもあって、見るたび見るたび強い印象をつけてくれるが、ここもなかなかいい景色である。

 ただ集落が全く見えなくなることは少なく、この辺りにすんでいる人も多いようだ。こういう景色のところですんでいるのもいいが、冬はどうなのだろうか。
 ちいさな渓流や、やや背の高めの木。そして日本海。所々に集落。そんな景色がどれくらい続いただろうか。しばらくしてから[道の駅 上ノ国もんじゅ]に着いた。ここら辺はその日本海の眺めを売りにして、見晴らしのいいところに道の駅を作っているらしく、レストランからでもその景色が楽しめる。



松前城

 ここからは道の駅が狭い範囲で続いており、[道の駅 江差]、[道の駅 あっさぶ]と一気にまわった。江差は漁業の盛んな大きな町。厚沢部は日本海とは少し離れているが、ジャガイモなどの農作物の販売が中心。クワガタなどの虫もいたが、虫の販売なんてのはちょっと見慣れないものだ。


 再び日本海沿いを北上するが、日が傾くにつれ日差しが強く暑くなってきた。距離も300kmを越え、限界に近くなっているがもう一息。次は[道の駅 ルート229元和台]である。おぉ、ここからの景色はかなりいいぞ。売店は相変わらずこぢんまりしたところだが、こっち(道南の日本海側)はそれに変わる「いいもの」がある。ここは文字通り高台にあるので、夕暮れ時の景色を見るだけでもいいもんだ。



道の駅 ルート229元和台からの眺め

 夕方の5時近くなってきた。幸い夏期の道の駅の営業時間は長く、今日最後の[道の駅 てっくいランド大成]も、夏だけ19時まで開いている。と思ったら、それは事務所のみで売店は閉まっていた。周囲は海水浴場だが、もう誰もいない。一応スタンプは押せたものの後は周りを見るだけにとどまった。

 やれやれ、ようやっと目標を達成。後は宿のある長万部に行くだけ。でも長万部は太平洋沿いなんでまた走り続けなければならない。日本海とはここで別れ、山間を走っていく。なんか今日は地図で調べたよりも長く走っているような気がしたが、駒ヶ岳、大沼公園、日本海沿いの景色といいところばかりだった。最後の山間の道も、上下はあるもののほとんど直線道路で、これも北海道ならでは。青森でも十分満足だったが、これから先もまだいろいろないい景色を見ることができそうだ。
 

   函館−恵山−森−福島町−江差−大成町−長万部 467.4km


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