先行列車の事故により、柿崎で立ち往生。ここで夕暮れ時を過ごすといういわば最悪(?)の事態のあと、列車は1時間ほど遅れて発車。その後も詰まりながらの徐行運転でなかなかスピードが出せない。「まだ先は長いし、夜中になれば他の列車はなくなるから」とここでは気楽な感じで様子を見ていました。しかし、日が暮れ外が暗くなると窓からは何も見えなくなってきます。

 「夜になると退屈になってくる」と言う意味が少しずつ分かってきたところで夕食。金沢で買ってきた弁当です(さすがに食堂車のメニューには手が出ない)。と、長岡では他のメンバーの奇襲攻撃に会い(^^;、シウマイもGet。長旅なので何かと食料には気を使いますが、行く前に調達しておいたり途中駅の長時間停車を利用すれば結構困らない。


サロンからの眺め
(もう日は暮れていました)

 新津を過ぎると、次の停車駅は小樽。この日は山線経由の運行となったために途中13時間近くも止まらないことになります。羽越本線を夜行列車でしか通過したことのない私にとっては外は分からず。しょうがないので早めに寝ることにしました。

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海峡線からの眺め。遠くに見えるのは本州
 トンネルの轟音で目覚め。時刻は4時半過ぎ。外を見るとどうも青函トンネルらしい。サロン室で車掌さんの解説もあったらしいのですが浴衣姿では行くことができず、そのままベッドにいました。
 トンネルを出るとすでに日が出ており、薄明るい。津軽海峡から見える朝日は非常にきれいでした。海岸線から夕日と朝日も見れるなんてなぁ、、と思っていたら、実際は1時間遅れはあまり取り戻していないよう。五稜郭の折り返しは短かったのですが、それでも50分遅れ程度。

 朝の北海道の景色は実に幻想的です。海峡線でも本州が見えたし、大沼からも駒ヶ岳が見えました。個室のドアを開けると噴火湾に、遠くで有珠山の噴煙もかすかに見えてます。
 そして、長万部からは山線を通っていくことに。


大沼(実際は小沼)から見える駒ヶ岳


朝の食堂車の様子


 この辺りで朝食。調達した食料はほとんど食べてしまったため食堂車でもしょうがないのですが、朝はそんなに悪くもなく、外が滅多に見られない景色なのだらこれもありでしょう(^^;。朝のメニューは洋定食で、パンと卵料理、飲み物がいくつかの種類から選べます。メニューの中に鮭の切り身が入っているのがいかにも北海道らしいのですが、メロンはさすがに夕張メロンではないようでした。

 外は胆振地方独特の緩やかな丘が続く景色。所々に残雪もあり、遠くの山はまだ雪化粧でした。食事のあとは景色のよく見えるサロンにとどまりそのまま外を見ていて、この付近を代表する2つの山がきれいに見えているなぁと感動していました。今回は災害による迂回なのですが、この景色を売りに定期で山線を(特急列車を)走らせてもいいと思いますね。。。



朝の「洋定食」

 羊蹄山を目の当たりに倶知安を通過。沿線には鉄道ファンが至るところでこの列車を捕らえんと待ちかまえていました。山線とだけあって、走りはゆっくりとしたものかと思っていたのですがそんなでもない。何しろ時間が遅れ気味なのもあるので速く走っていたらしいのですが、遅れは結局取り戻せませんでした。

        

サロン室からのニセコアンヌプリ山の眺め
        

同じくサロンからの羊蹄山

 地元の特急ともすれ違い、ようやく小樽に停車。札幌まではもう一息です。最後の日本海を見届けたあと、そろそろこの部屋を出る準備。大阪からずいぶんと長い時間だったのですが、それなりに満足でした。しかし多くの人たちで乗り込まないとかなり退屈なのも確か。外の景色ばかりも見ていられないから、それなりに退屈しのぎの何かも持っていく必要があるでしょう。


 札幌近郊に入ると、もう見慣れた景色。到着の直前には大阪を出たときと同じ「あの曲」が流れ、旅のエピローグを締めくくっていました。
 札幌到着後は回送されるものの、方向が逆になるのでどうするのだろう?まあ列車が出るまでには時間がかかるので記念撮影などは急がなくて済むのですが。我々もそうだったのですが、乗ってきた乗客はほとんどがここで記念撮影をして旅の余韻を楽しんでいました。

 結局列車の遅れもあり、22時間あまりの長い旅。みなさんおつかれさまでした!


列車の最後尾「スイート」
一度は乗ってみたいですね。

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